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2011年10月25日火曜日

『働かないひと。』(著:左京泰明さん)

昨年、仕事を通じて知り合った、シブヤ大学の左京学長さん。




仕事の時は、左京学長さんにインタビューをし、以下の思い&想いを拝聴した。
「シブヤ大学を設立した理由は、自分が一人の生活者・生徒として、まだまだ、知りたいことや学びたいことがたくさんあったから。」
「渋谷は影響力がある街なので、渋谷で変化を起こせば、日本が変わると思ったので。」
「シブヤ大学は、スタッフ(講師)と生徒の関係が循環しています。参加者がスタッフ(講師)にもなれるように、場に“余白”を残しておくことで、主体性ある行動や共創の意識が生まれてきます。余白は、自主性を促し、お互いの信頼を生みます。」

その左京学長さんがインタビュアーとなって、30代で活躍されている10名にインタビューを通じ「仕事」「働くこと」を探求した一冊。

一昨年、市場トレンドの中で「シェア」が広がるという予想の中、仕事の一環として「共創」をテーマに活動し始めましたが、自分が共創の中に飛び込んだ途端、仕事が「私事」に、そして、「志事」に変わった体験の連続
「会社のため」の仕事が、「自分のため」の仕事(私事)に変わり、そして、多くの方々と繋がることで、知らないことを知り、自分が成長する実感が得られ、やりたい事(志事)が見つかり始めた、この2年。すべては、偶然が必然になり、それが同時多発的に起こっていることで「共創」になることを体感。セレンディピティとシンクロニシティが「共創」を導き、結果として、自分自身が成長・拡張し、それが、さらに一歩踏み出す力となり、次のセレンディピティを生み出す。そして、自分が成長・拡張し続け、他人とは違う自分が創造され、パーソナルブランディングがされる。
こうやって言葉にすると、キレイな言葉が並んでしまいますが、自分のキモチに近い表現を使うとすれば、「!の連続」

10名の方々へのインタビューでありながら、自分を見つ直すことができた一冊でした。
ありがとうございました。




<ホスト 手塚真輝さん>

●全く自分に向いていないこの世界にいた方が、4年間大学で専門知識を学ぶよりも、自分にとってプラスになるんじゃないかと思った。
●今頑張る先にあるのは、お金だったり、世の中の人のため、って言う人もいるけど、俺の場合は自分自身が成長できるかどうか。
●しかも結果的に、そうやって周りを成長させることが、自分の成長にもつながるし。
●ずっとテーマである「自分の成長のために今やりたいことは」っていうと、店で働く一人ひとりに成長のきっかけを作ることだと思うんだよね。

<アートディレクター 寄藤文平さん>

●そもそも、仕事で何かやりたいって思うこと自体が、30代の気分なのかもって感じがするんです。
●30歳くらいだとまだまだ分からないことの方が多いから、あれもやってみたいとか、これも経験したいとか、もっと分かりたいっていう感覚が強い。
「人のため」の仕事を、「自分のため」の仕事に変える。誰にでもできることをきちんとやる。それが自分らしいっていうのが分かる時期があって、その時は自分の中で考え方がかなり変わったし、そこが境目ですね。
●力のある人と仕事をすると、「自分はちゃんとできるようになっている」っていう実感も湧いてくるし、自分に要求されていることのちょっと先が読めるようになる。
●仕事っていうのは、基本的に問題を解決するためのものだと思う。働いて仕事をするということは、そもそも問題提起じゃなくて、必ず何かを解決するために動いている。
●やりたいことが見つからない人。「やりたいことが見つからない」って言われたら、今の仕事をちゃんとやりなよって答えます。
●仕事でもちょっと大変なことをやると面倒だけど、超大変なことをやると逆にモチベーションが上がったりしますよね。いっそ、やりますか!っていう、あの感覚が重要だと思っています。

<チームラボ株式会社代表取締役社長 猪子寿之さん>

●日本が世界で勝負するためには、まずはテクノロジーオリエンテッドであることは欠かせないと思っていて、チームラボでも自分たちの技術を世界から買ってもらいたいと思っている。
●iPhoneにしてもWiiにしても、どこまでがテクノロジーで、どこまでがデザインなのか全くわからない。そこが面白いし、それが今受け入れられているもの。
自分がこの人「やばいなぁ」という思う人に「やばい!」って言われたいんだよね。
自分が好きな仲間と目標を共有し、さらにプロセスを共有する。そのプロセスを共有するところで、一番幸せを感じている気がしている。
●ファミコングラフィック。ドラクエの森。主観で真横から描いている。アメリカのゲーム「ウルティマ」は客観で森を真上から描いてる。客観主義でない美術表現や価値観といったものと、情報化社会の相性がすごく良くなってきている。

<株式会社マザーハウス代表取締役 山口絵理子さん>

●何か大きな決断をしなくちゃいけない時は、結局いつも「何のために生まれてきたのか」っていうところに戻ってきてしまうんです。
●他人からの評価とか社会的なポジションを頼りに生きていると、自分をもっていない人間になってしまう。
●最終的に彼らが教えてくれたんですよ。
●やっぱり、最終的には自分の声に従うことが大切だと思うんですよ。
●実は一企業の活動が援助よりもたくさんの人の笑顔を作るんじゃないか。
「それって面白いよね」っていうところに、スタッフみんなのやる気があると思うんですよね。
日本でも、一歩踏み出せばきっとたくさんの人に影響を与えられる環境があるのに、っていう気がします。

<天文学者 小久保英一郎さん>

●僕は小さい頃に不思議だなと思ったことをそのまま研究テーマにしているんです。
●自分の仕事というものは、社会の中での役割分担なんだ。
●頭だけを使っていると、だんだん思考が腐ってくるんです。僕の場合は、頭を使った分だけ、同じように身体を動かさないと健康な思考でいられないんですね。
●僕は見たことがないものを見るとか、知らないことを知ることにやりがいを感じています。

<文筆家 伊勢華子さん>

●暗い井戸をひたすら掘り続けていたら、ある日、突然、光が見えた。よく目を凝らしてみたら、そこはみんなと通じる泉でした。
●ひとつのことを貫くのも大変だから。自分がこれだと思ったもの以外は、全くといっていい程、動かない。中途半端に関わるのは無責任にもなっちゃうもんね。
●今の私を成り立たせてくれている、かけがいのない人のこと。彼らに、どれだけのものを私は恩返しをできるかなって。もちろん大きな意味では、人はつながっているから自分がしてもらったことを誰かに同じようにしてあげればいいのかもしれないけどね。
●些細なことだけれども、こんな小さな奇跡が全ての始まりのような気がしたよ。
●大学院が窮屈になった。直感でいいなと思うことを、当たり前だけれど言ってはいけなくて。
●やりたいこと、好きなことがあるだけで、充分、素質があると思うの。もしここに続きがあるとしたら、その好きなことをいかに続けられるかが才能かなって。

<ブックディレクター 幅允孝さん>

●インタビューしている内に彼らの言うライフスタイルの提案は、食・旅・デザイン・アートの4つの柱だということがだんだんクリアになってきたんです。じゃあ、その4つだけを徹底的に深く集めるようなお店にしようっていうことになりました。そこで初めて、本棚を編集するという行為が起こったわけですよね。
●そのお店が提案するものであれば何でもよかったのかなと思います。つまり、そこにお金を落とすことで、お店と一体化したいという欲で消費行動をしていると思うんですよ。
●そんな感じで「どんどん、仕事になっちゃった」っていうのが正確なところですね。なんとなくこういうことはやりたいかなとは思っていたんですけど、とりあえず面倒くさがらずにやってみたんです。何でもトライしていたら、自分の仕事をいつの間にか自分で発明していたという感じなんです。
今の仕事をできているのは、一言でいうと「他人」の力が大きい。要は全てがコミュニケーション力だと思っているんです。
●基本的に、うちの会社は今でもそうなんですけど、営業職ってないんですよね。つまり、形式ばった営業をしたことが全くないんですよ。じゃあ、何をするかというと、人と話すんですよ。
●つまり、仕上がり具合をイメージすることがすごく重要だと思いますね。例えば、自分が3年後とか5年後に、どう仕上がっていたいのかを、イメージするんです。
●なぜ成り立つのかというと自分自身の言葉でお勧めしているから。
●「自発的」って、絶対これからの言葉だなって思っているんですよ。2000年代後半は自発的に、自分から進んで責任を持ってやれるかどうか。
●好きだけだとやっぱりできないんですよね。視点をたくさん導入しなくちゃいけない。
●自分が好きなものを言い続けることも大切です。
●僕が欲しいのは朝起きる理由だけですね。こんな楽しそうなことがあるかもしれないとか、こんな人に会えるかもしれないとか、朝起きる理由が欲しくて、仕事やっているようなものなんです。

<株式会社音別代表取締役 本城慎之介さん>

●子供が成長する姿をそばで感じていると「俺はこの1ヶ月間とか半年間で、どれだけの試行錯誤をして成長したのだろうか?」と真剣に考えて焦っちゃうんです。
●僕にとって大事にしたいのは「成長」です。成長することをなぜ大切にしたいかというと「かっこいい」からなんです。
●「夢は何ですか?」って聞かれた時は「かっこいい大人を増やすことです」って答えているんです。社会をかっこいい大人で増やしていって、その中のひとりとして自分もかっこよくなりたい。じゃあ、「かっこいい」というのはどういうことか、それは、子供に真似されたいことかどうかということです。
「成功より成長」っていつも言っているんですけど、常に、成長したいかなとか、挑戦したいなって意識している。
●自分の成長と社会の成長が何らかの形でつながればいいなと思っているんです。僕たちはどうしたって、社会の中でしか生きている訳で、社会と離れて生きられないんですから。
●「正しい答え」というのは実は一時的なものが多いと思うんです。多くの人が支持する答えっていうのも時代と共に変わっていく。答えそのものよりも、どういう理由でそう思うのかっていうことがすごく大事。
●ものすごくがんばれとは言わないけど、「1.1」の仕事を少しずつ重ねていくことで、それがいつか大きな成長として、自分自身を成長させるし、世の中にも貢献できる。その逆で「こんなもんでいいかな」っていう「0.9」の仕事やコミュニケーションを続けると、その成果や関係は限りなく「0」に近づいていくんじゃないかなと思うんです。
●永遠に次の世代へとバトンリレーするために、人はみんな一生懸命がんばっているんだ。だから、ゴールすることではなくて、バトンを持って走ること、つなげていくことが僕の仕事だと思っています。

<ASOBOT Inc.代表取締役 伊藤剛さん>

●そもそも、地位とか名誉とか、英語で言うところの「what」の部分にはあまりこだわりたくはないと思っています。所有欲は、自分の可能性を狭めると思うから。
●「what」よりも「how」。基本的に「どうしたいのか」「どういうふうに生きていきたいのか」っていうことを大切にしたい。
●血がつながっていない仕事仲間や友人に対して親身になれたり、一緒に何かできるっていうのは「人の営み」という意味ですごい尊いことだと思う。
●僕にとって仕事仲間は、ある意味で「共犯者」みたいなところがあって、みんなが集まれる場所作りをすることで、より多くの共犯者、同志を探している。
●僕は僕の役割として他の人ができないことを代わりにやっているだけ。
「ライス・ワーク」と「ライフ・ワーク」のバランスを考えるってことですね。食べてくための仕事と人生をかけてやる仕事。
●メンバーそれぞれの持っているモチベーションにどう翻訳してあげるか。それが経営者としての一番の仕事。そのために、それぞれが担当している仕事一つひとつに「自分自身のミッション」を各自で設定してもらっています。
●大きな意味で「この時代に生きている役割」を見つけられたらいいなと。いつかは死んじゃう訳ですけど、生まれたからにはこの時代に何かを作ることができる。「ここまでは何とか考えてみたから、後はよろしく」みたいな感じで、バトンを次の世代に渡すイメージ。

<働き方研究家 西村佳哲さん>

●例えば、『パタゴニア』。やっぱり、働き方が違う。なんていうか、働き方について考えられることは全て考え、実践しようという感じでした。
●働き方におけるコミュニケーションという点でも、生産の世界で求められるものは効率、創造の世界で求められるのは効果です。
●僕自身の人生を振り返ってみても20代や30代の重要な出会いは、ほとんど偶然なんですね。重要なことの大半は偶然から起こっているなと考えて、僕は偶然を信用しています。本人からしてみると必然性のないような偶然が、他の人から見ると、「いや、当然でしょ」みたいなことがある。
●「自分」は社会と自分自身の仲介役みたいな存在な訳です。
仕事というのは、究極的な意味では、自分自身を仕事にすることなんです。「西村佳哲」っていう仕事をしているんだという状態にし続けることが、僕の「自分の仕事」なんです。究極的には、他の誰でもない西村佳哲であることが価値を持ち、社会の中で機能することを目指すんだと思うんです。つまり、仕事というものは、その職業に就いて終わりということではなくて、生涯を通じて自分になるということなんです。





2011年10月24日月曜日

DVD『火の鳥〜未来編〜』

原因と結果。偶然は必然。死で終わりでなく、その次に生がある。
すべては因果応報。
ただし、長く待つ時間を許容しない限り、気付けない。
長く待つ時間を楽しむことができれば、セレンディピティもシンクロニシティも感じることができるんだと教えてくれる作品でした。


火の鳥 未来編 [DVD]/竹下景子,松本保典,小村哲生

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DVD『火の鳥〜太陽編〜』

『もののけ姫』と同じ感想を抱いた『火の鳥~太陽編~』。
神事と仏教のどちらを選択するか。古き良き神事を守るか、新しい仏教を採用し、新しい国づくりを進めるか。
火の鳥曰く、「神も仏も人間が作り出したもの。お互いに正しい価値同士。なので、どちらが良いかを選択できない。」
ただし、最終的には未来を作るのは「新しい体験」を通じた成長。過去を継承する方が味方も多いし、楽。ただし、最終的には未来を創る責任を負うと、答えは絞られることを感じた作品でした。

火の鳥 太陽編・前編 [DVD]/竹下景子,松本保典,小村哲生

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2011年10月10日月曜日

『ヘコむな、この10年が面白い!』

社長から借りた『ヘコむな、この10年が面白い!』を読了。

この本は、amadanaを展開するリアル・フリートの熊本社長からウチの社長へのプレゼント。
「ビジネスの究極は安く仕入れて(作って)、高く売ることです。高く売るためにはマーケティングで商品の価値を高め、あるいはブランディングで企業のブランド価値を高めることです。」という一節からメッセージを痛切に感じます。スペック競争からの脱却、「モノづくり」から「コト興し」への変革が急務。この変革を楽しんでいきます。


<気になったキーワード>
「モノづくり」から「コト興し」へ
●著者(小寺圭さん)の主張
 ①日本は「モノづくり」国家から脱却すること
 ②日本は「事業化」を通した「コト興し」の国に変わること
 ③日本は「環境ビジネス」の分野で世界をリードする国になること
●モノづくりだけを孤立化させずに、産業化できるための体制づくりをやらなければなりません。そうでないと、日本は世界一の下請け工業国に成り下がってしまいます。
●モノづくりは欧州から米国、そして日本に移り、それが中国やブラジル、やがてインドやインドネシアに移っていく。極めて自然なことです。
●モノづくりとは産業革命そのものであり、現在我々が住む世界はポスト産業革命の時代に移ろうとしているのです。
技術移転しようがしまいが、盗まれる技術は盗まれます。
●カンバン方式といえども、中国での大量生産にはかなわなくなったのが現実であり、最近はカンバン方式という言葉さえも色褪せ、死語になってしまった観があります。
●「コモディティ化」とは、誰が作ってもほぼ同じような性能や機能を持たせられる、というほどの意味です。
●今のパソコンは誰が作っても「五十歩百歩」、どのブランドでも「大同小異」ということになります。
●いったんコモディティ化した商品は、それはそれと割り切って、中国の設計や製品開発・製造をうまく使うことを考えるべきです。
●ビジネスの究極は安く仕入れて(作って)、高く売ることです。高く売るためにはマーケティングで商品の価値を高め、あるいはブランディングで企業のブランド価値を高めることです。
問題は、日本の企業は他人や他社を使うことが実に下手なことです。よくいわれるコミュニケーション能力の不足です。
●どうして日本のエンジニアは日本生産にこだわるのでしょうか。いえ、消費者もそうです。メイド・イン・ジャパン信仰は日本の消費者心理にまだまだ残っています。「日本製だから高くて当たり前」と思っている人がいかに多いことでしょう。そういう消費者のモノに対する感覚が日本のガラパゴス化をよりいっそう後押ししたともいえます。
日本も大変なプロセス重視の国です。米・韓は明らかに結果重視の思想が根付いており、また、中国も米・韓以上に結果主義の国なのです。
●クリエイティブな技術あるいは新しいコンセプトの商品に関しては日本はまだまだ先を行っていますし、何十年あとでも中国の先を歩いていなければなりません。ですから、すぐにコモディティ化してしまうような商品の設計などに、日本のコストの高いエンジニアのパワーを使うのはもったいないですし、経営的にもまったく非合理的な話です。そうではなくて、それらの人材、能力や時間をクリエイティブなアイデアや新しい技術の開発に使うべきであるといいたいのです。
●技術の進歩はエンジニアの想像をも凌駕して進んでいく。
どんな業界にあってもパラダイム(価値観)はシフトするのです。
●日本人はとにもかくにも、数字を大変気にする国民なのです。
●「さらば、モノづくり」。これを唱え始めて、日本の将来への扉が開かれます。
●「環境革命」が次の10年の主戦場になります。
●一企業の中で社長に上り詰めようと考えている人こそ起業家には最もふさわしくない人ということ。
●急成長企業で、ものごとを民主的な合議制で何段階もの会議を経て決めている会社などありません。
国内で行われるセミナーなどにしても同じで、内容に関係のない部署の人たちが来て、「勉強」をして帰るので、セミナーの内容が実際の投資に役立つことは稀です。
●「環境問題」という発想そのものがおかしく、「環境政策」あるいは「環境革命」という言い方の方がふさわしいでしょう。そこにかかる費用は勘定項目でいえば、「コスト」ではなく、「インベストメント(投資)」の項目に入るべきものでしょう。
●戦後ゼロからの復興を遂げた日本は、「ゼロベース」のスタートを得意としていたはずです。
●技術は現場を持たなければ発展させることはできません。
●再生可能エネルギーは、一度化石燃料にとって代われば、ほとんど半永久的に地球の存在する限り続くでしょう。なぜなら、それに代わりうるものを誰も思いつかないからです。
●多くの場合、モノは作られることによってその価値が生まれるのではなく、そのモノが売られることによって初めてその価値が対価をともなって体現されます。すなわち、モノは今や、作られる過程よりも、売られる過程においてその価値が高められるのです。
●売るための構造・仕組みを作ることが最も付加価値を高め、企業の利益につながるのです。その仕組みづくりこそが、私の言う「事業化」です。
●様々な「事業化」を通した経済活性化の策を、私は「コト興し」と総称したいと思います。
サービスには価値があり、それは売るものです。タダで提供するものではありません。サービスの価値はマーケティングやブランディングでいくらでも向上させることができます。
●マーケティングには「付加価値の創造」のほかに、「ニーズ(消費者の求めるもの)の掘り起こし」という、さらに重要な役目があります。
●日本の企業は少し業績が悪化すると、最初に削減するのがマーケティングに関わる経費であり、広告費などもいとも簡単にカットします。ところがサムスンは、マーケティングの経費削減は最後の手段と決めています。徹底したマーケティング主導の会社なのです。
●真のマーケティングとはニーズを掴むことだけでは不十分で、そのニーズを商品に具現化させなければならない。マーケティングに携わる者はエンジニアに商品化をさせるための説得力を身につけなければならず、さらにマネージメントに関わる者は社内事情にとらわれずに、市場の欲するものを出す勇気を持たなければならない。
●コト興しの課題の1番目は、モノとサービスを結びつけた事業構造を作ることです。わかりやすい例でいえば、アメリカのアップル社の事業構造です。
●コト興しの2番目の課題は、いかにして自社の事業領域を越え、特定産業の壁を越える発想を可能にさせるかということです。
●周りの人を味方につけるには、自分自身をマーケティングすることが大事です。つまり、自分の持つ固有の価値を正確に把握し、十分に理解して、その付加価値を高めることです。このことを実践すれば、自ずとそれを評価してくれる多くの人々に出会うことができるでしょう。


ヘコむな、この10年が面白い!/小寺 圭

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