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2011年2月12日土曜日

『決めない会議』

先日、拝読した『ワールドカフェをやろう!』の著者 大川恒さんが書かれた、もう一冊の本『決めない会議』。こちらも魅力的な内容でした。

ワールドカフェ形式のダイアログに参加し、「決めない会議」と言われながら、自分の考えや行動が「決まっていく様」を実感していたのですが、なぜ、決めないのに決まるのか?の答えが何となく見えてきた気がします。それは「生命体だから」。個人は人、個人の集まりである組織も人。個人も組織も人、つまり、共に生命体なのだから。

以下、読みながら感じたことをいくつか。

●見えない壁 ~日本型オフィスと欧米型オフィス~

 自分たちの会社で数年前より「見えない壁」という言葉が蔓延し、中々、取り除くことができず苦慮しています

 著書での紹介事例。個室中心の欧米型オフィスと比較し、大部屋の日本型オフィスでは仲間が電話している内容が他の人にも自然と聞こえてきて、自然とコミュニケーションができていたのが、電子メールへの以降に伴い、このコミュニケーションが成立しなくなり、隣の人が何をやっているのかさえ、わからなくなってしまった。

 環境の変化により、見えない壁が自然とできてしまったのですが、これまで直接話さなくても、「第三者との電話のやりとり」を介して、阿吽の呼吸で通じ合っていたのが、通じ合えなくなってしまった今は、直接、話さなくてはならない時代になっています。ただし、話し「方」がわからない。作法がわからない中、本音で語れる「安全な場」の提供が必要とされる理由が消化できました。

 「見えない壁」は誰が作ったんだろう?と、ずっと考え、時には経営層のせいにしていた時もありましたが、環境の変化であり、誰のせいでもないんですね。誰のせいでもない、必然の変化であったからこそ、受け止めて、対処に向けて、自ら動き出さないといけないんですね。


●ディスカッション(討議)とダイアログ(対話)

 みんなで話し合う時は「ディスカッションしようよ!」と声をかけたり、社内の雰囲気が悪い時はディスカッションが足りない、などと「ディスカッション」という言葉を多用していましたが、使い方を間違えていました。すみません...。

 ディスカッションは、相手を論破して自分の考えを通そうとすること。
 ダイアログは、相互理解を深めるために、相手の考えの背景を理解しようとすること。

 たしかに、ディスカッションの和訳である「討議」。相手を打ち倒すという「討」という語が含まれてますね。

 ディスカッション (討議)
  ある事柄について意見を述べ合うこと。「—を重ねる」「対策案を—する」

 ダイアログ (対話)
  向かい合って話し合うこと。また、その話。「市長が住民と—する」


●未来はロジカルシンキングでなく、ストーリーで創る

 効率化が求められ、リスク回避で失敗が許されない中、論理的な思考が求められますが、短期的な解決策にしか繋がらないのは、誰もが実感しつつも、「リスク回避」を回避できないジレンマを抱えているも事実。このような中、コントロール思考を捨てて、コラボレーション思考に移行できれば最高です。

 長期的なビジョンを描くには、直感や共感から生まれるストーリーテリングが重要ですね。
 未来や、ありたい姿を描くのは、誰もが興味・関心ありながら、いざ、組織の一員になるとできないというか、忘れがちなのも事実。コラボレーション思考で、未来を描きたいです。仕事でなく、志事をみんなで描きたいです。
 

●第10章 決めようとしなくても決まる

 第10章のタイトル、そのままです。安全な場を確保し、多くの仲間を交えてダイアログをすれば、決めようとしなくても、決まるんですよね。やっぱり。

 だって、見えない壁があるかもしれないですが、そもそも、同じ志を持ったメンバーが集まった組織であり、場なのだから。
 同じ志を持っていた、今も持っていることを再確認する場。このような場があるだけでも、きっと、明日からが、より楽しい未来になりますね。きっと。



��本書の内容>
はじめに 決めない会議の特徴とポイント
第1章 ポジティブな問いを立てる ~言葉が未来を創造する~
第2章 マイクロコズム(小宇宙)を作る ~多様な関係者を巻き込む~
第3章 安全な場を確保する ~関係の質を高める~
第4章 もてなしの空間を演出する ~コーヒーブレイクの効用を会議に活かす~
第5章 自律的なプロセスがアクションを生み出す ~主体性を発揮する~
第6章 オープンに話し、オープンに聴く ~対話(ダイアログ)力を高める~
第7章 ストーリーテリングで強みと可能性を引き出す ~背景情報を共有する~
第8章 共有する価値や目的を発見する ~違いを超えて共通するものに気づく~
第9章 右脳を働かせて、ありたい姿をイメージする ~未来が出現する~
第10章 決めようとしなくても決まる ~自己組織化のエネルギーを信じる~


決めない会議―たったこれだけで、創造的な場になる10の法則/香取 一昭

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2 件のコメント:

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    言語化できていない感覚がハッキリしました!
    物凄く良書ですねその本!
    だからこそ、岡本さんの設けてくださった場は面白くみんなで未来を描けるんだと思います。
    岡本さんは「安全な場」を提供する才能が開花してますよ絶対!

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  2. SECRET: 0
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    ��米田真介さん
    コメント、ありがとうございました!
    はい、すっごく良書でした。
    米田さんとの出会いとか、色々なことと繋がっている一冊でした。
    安全な場から未来創出できるように、これからも、一緒に色々と企てさせてください!

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