僕も娘と共に愛用している、川崎の名産品である「キットパス」を企画&開発しているメーカー 日本理化学工業株式会社さんが紹介されていることもあり、ずっと気にしながらも、読む機会を逸していた『日本でいちばん大切にしたい会社』(著:坂本光司)。
鎌倉投信 新井和宏さん、『新しい市場のつくりかた』の著者 三宅秀道さんとの出会いもあり、ようやくですが読みました。読むまで何年かかったんだろう???
いきなり、直球勝負の一冊でした。「企業には、五人に対する使命と責任がある。」とのこと。
1. 社員とその家族を大切にする。
2. 外注先・下請け企業の社員を幸せにする。
3. 顧客を幸せにする。
4. 地域社会を幸せにし、活性化させる。
5. 自然に生まれる株主の幸せ。
※番号は“優先順”
リーマンショック以降、価値観の再定義が進み、携帯電話市場もスマホシフトが加速する中、2011年2月に硬直化した職場でコミュニケーションの活性化を目指して、弊社内(NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社)で初めて開催したワールドカフェ。テーマは「NECカシオモバイルコミュニケーションズが目指すNo.1は?」。
ワールドカフェのプログラムを考えている時は、「CS No.1」(顧客満足度 No.1)という声が多いんだろうな、と想定していたのですが、実際には違いました。幹部も現場メンバーも「ES No.1」(従業員満足度 No.1)を挙げました。自分たちが満足していない限り、お客さまを満足させることはできないというのが理由でした。確かに、そうです!
この時のことは今でも忘れないですし、その後、会社変革のために、社長や幹部に、社内外の人的ネットワーク構築を通じたイノベーション創出を目的にした「S&S Lounge」「ムサコ大学」を提案した際も、この時のワールドカフェを事例紹介として欠かすことはありませんでした。
そんなこともあり、『日本でいちばん大切にしたい会社』の冒頭で、「顧客を幸せにする」よりも、最優先で「社員とその家族を大切にする」と書かれていたことは、実体験を含めて、ハンパなく共感&同感でした。
そして、本著で紹介されている日本理化学工業さん、その他の企業すべてが、社員を最優先に大切にすることで、結果として好業績を成している、ステキな企業&方々でした。正しい姿が「事実」として綴られた一冊でした。
逆を返せば、短期的な結果(業績)だけを追求し、中長期的な持続を探求せず、従業員との信頼関係が失われた企業は、「大切にしたい」と思ってくださる応援者も離れていき、存続できないことを証明している一冊でもありました。
<気になったキーワード>
- 他力本願タイプの中小企業の五つの言い訳。「景気や政策が悪い」「業種・業態が悪い」「規模が小さい」「ロケーションが悪い」「大企業・大型店が悪い」
- 「企業は社会みんなのものである」という原則。
- 経営で一番大切なのは「継続」すること。無理な成長は追わない。
- 「儲かるか儲からないか」「他社に勝つか負けるか」という視点でなく、「正しいか正しくないか」「どんな判断をすることが社員のため・お客様のため・地域社会のためになるのか」という視点での経営判断が重要。
- マーケットは創るもの。
- 感動は人間に100%以上の力を出させる。だから、2:6:2の法則は人間にはあてはまらない。
<構成>
はじめに
第1部 会社は誰のために?
第2部 日本でいちばん大切にしたい会社たち
おわりに
0 件のコメント:
コメントを投稿