先週末、ノロわれてしまい、病院や布団で『ノーモア立川明日香』と過ごしていまいた。
Amazonでなぜかオススメ本としてメチャ押しされて、ついついポチッとしてしまった訳です。
ノロわれて心身ともに弱っている中、読んでいた訳ですが、『はだしのゲン』同様に次のページをめくるのに勇気が必要な一冊でした。『はだしのゲン』ではリアルな被曝実態を直視する恐怖感、『ノーモア立川明日香』では愛された経験(愛着形成)の有無による違いを直視する恐怖感があり、中々、次のページをめくれず...。決して、ノロわれていたというのが理由でなく、健康状態でも同様だったはず。
今は、情報過多の時代。情報より体験が重視される時代。
立川明日香さんの人生を垣間見ることで、体験に勝るものはないと強く感じた一冊でした。
愛されたことがない限り、人を愛することはできない。
児童養護施設で育った立川明日香さん。公園のブランコで遊ぶ立川明日香さんの娘。立川明日香さんは、ブランコの横で娘の姿を見守っているだけとのこと。娘の背中を押したりして一緒にブランコで遊ばないそうです。遊ばないのではなく、遊んでもらった経験がないから、親としての接し方(遊び方)がわからない。
信頼できる人と接したことがないから、「人」との繋がり(接点)を感じることができず、目の前に広がるのは、あくまでも「社会」という現象。
僕には、人の温かさや愛情を感じられない世界が想像できず、想像しても、その世界が恐怖でしかなく、だからこそ、今の生活を十分に楽しむことができる土台を作ってくれた両親や家族、友人などに感謝のキモチを抱いた一冊でもありました。
<気になったキーワード>
- 居住経験がなかったことに対して「ゼッタイに謝りません。死んでも嫌です。それだと、社会に負けた感じがするんです」。
- 乳児院を経て、3歳から18歳まで児童養護施設で生育。
- 彼女の言うポジティブは、楽観主義とは違う。手に入らないとわかった瞬間、完全に諦め、自分は振り回されない、と固く決意することである。
- 立川明日香は、人と深く関わるのが無意識の内に怖いと感じている。
- やっぱり自分が経験していないことはできない。だから、子どもに愛情を与えるのが難しいという壁がある。
- 児童養護施設を出たら、男はヤクザかホームレス、女は風俗嬢でシングルマザー。
- なんの躊躇もなく必要のないものを切り捨てていける立川明日香。それはそれで幸せな生き方なのかもしれない。
- 立川明日香は、あくまで「社会」と繋がっているのであって、「人間」と繋がっている訳ではない。
- 動物園で飼育係に育てられた動物は野生に戻ることが難しい。児童養護施設で愛情を受けずに育った立川明日香も人間社会にすんなり溶け込めないのが当然なのだろうか。
<構成>
プロローグ
第一章 出馬決意
第二章 選挙運動
第三章 市議当選
第四章 釈明会見
第五章 市議辞職
あとがき
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